最近の子供達をみているとお父さんや先生に本気で叱られた子が少ないように感じます。(お母さんにガミガミ?小言を言われたことはあるようですが・・・。)
また問題、難問が降りかかってきた時、正面から向き合わず、なんとか避けることばかり考えているようにも感じます。昔のことわざに、『若いときの苦労は、 買ってでもせよ』という言葉があります。つまり苦労を乗り越える知恵や知識を身につけるのは若いうちに限る、という意味です。小さい時から打たれ強い経験 をしないと、実社会に出た時に当の本人が一番苦労するはずです。打たれ強くなる為には精神的に成長しないと難しいのですが、普段家庭でも親に本気で叱られ た経験が少ない、もしくは無い子供に精神的に強くなれと言っても理解出来ないと思います。
強いお父さんが復活してほしいと個人的には思います。あくまで、「怒る」ではなく「叱る」です。

なでしこジャパンが世界一を決める時、北島康介選手が200mの決勝で泳いでいる時、とても興奮し、熱くなって応援をしてしまいました。どのスポーツでも最後まであきらめない気持ち、山あり谷ありあっても続けていく力が必要だと思いました。組み手の試合に参加する選手はいつも限られていますが、一度チャレンジしてみると、子供はもちろん、お父さん、お母さんたちの取り組む気持ちが変わってくるかもしれません。子供達に是非色々な経験をさせてあげて下さい。

もう何十年も前になりますが、私はケンカに強くなりたくて空手を始めました。週に5回~6回の稽古に、最初の頃は体もくたくた。毎日体のどこかに痛みがありました。ただ1日1日、自分自身が少しずつでも強くなっていると思うと嬉しくて、稽古を続ける毎日でした。

しかし、与えられた稽古だけをしていては、なかなか黒帯(目標)にたどりつけないことに気づきました。黒帯(目標)には忍耐や我慢も必要ですが、自ら気づき行動しなくてはならないのです。

たとえ週1回の稽古でも自ら時間を作り練習する人は、どんどん上手になります。つまり自らの意思で行動している人は、同じ時間稽古していても、物事を吸収する能力に差が出てきます。

どんな目標でも出来ない理由を考える事は簡単です。出来る為にはどう行動したらいいかを考える事が、生きる目的にも通じると思います。何か一つ目標を!

空手の稽古中『もう無理!出来ない!』等という言葉をよく聞きます。
例えば「もっと大きな声を出しなさい。」と何度言っても小さな声しか出さない人もいます。でも本当にそれが限界ですか?
極端ですが、山で遭難し、救助隊が目の前を通り過ぎようとしていたら、そんな小さな声を出しますか?きっと必死に声を出すでしょう。
稽古の時はそこまでとは言いません。今自分自身が持っている力を限界まで使うから自分の限界が上がるのです。いつも限界の半分の力しか使っていないと、その半分が自分の限界になってしまいます。
修業(生きる事)とは自分の出来ない事への挑戦です。腕立て伏せが10回しか出来ない人が、20回になり、30回になりと、どんどん伸びていくから稽古も楽しくなってくるのです。
誰もがもっともっと自分は出来る!と信じて毎回の稽古を力いっぱい行って下さい。
 

子供達だけでなく私達大人にも言えることですが、自ら茨(いばら)の道を歩む子供はいません。

本来子供は「楽しい」と書く楽な事、えらい・苦しいより「楽」な方を選んでいます。

空手の稽古は「楽」な事ばかりではありません。寒い時、暑い時、また痛い・苦しい事もあります。

「子供が嫌と言うから」「行きたくないと言うから」と子供の気持ちを尊重しすぎていませんか?

嫌な事、辛い事、から逃げるのは子供なら当たり前です。

自分の子供が強い子供に育って欲しいならば子供の気持ちばかりを優先していたら果たしてそうなってくれるでしょうか・・・? 
親という字は木の上に立って見ると書きます。

子供と同じ目線で物事をとらえることも大切ですが、もっと高い視点から先を見ることも大事だと思います。

お互い責任ある親としてもう一度子供達がどんな大人になってほしいか考えていきましょう。

 

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