私が子供達に空手を教えてきて、その間に色々な子を見てきました。
たいていの子は始めの2~3ヶ月は目新しさもあり、自分から進んで道場へ通います。
しかし、半年を過ぎる頃になると、はじめの目新しさもなくなり、練習がつまらなくなり、努力することができなくなってきます。
常に楽しいこと、面白いもの、楽な方へと流れていく。楽しいことに対しては実に貪欲で、あらゆる手段を用いてそれを得ようとする。これが本来の子供の正しい姿です。
これを律するのが親のつとめであり、躾はそのためにあるのだと私は思います。
ある時期、子供に恨まれるかもしれません。
しかし、子供に嫌われることを恐れていたら、何事も達成されません。嫌われるのは、子供の時期だけです。
子供が大人になった時点で何倍もの感謝をされることを保障します。
黒帯をとることを節目にしてもらってもかまいません。
「自分は最後までやり抜いた」と胸を張って言える経験が、子供のその後の人生において大きな自信になることは間違いありません。
やる気がなくなってきた時は励ましてください。
悩みがあるのなら訊いてあげてください。
たまにはどうしてもサボりたいときもあるでしょう。
その時は大目に見てあげてください。
しかし、原則は曲げないでください。
大切なことは人生を一貫させること。
厳しく、しかも柔らかく、一貫してそして愛情をもって接してあげてください。
「強さとは相手に勝つことでなく、弱い自分に勝つこと!」
長年空手を続けていると『強さ』とは何か、と何度も考えることがあります。私の考える『強さ』とは、自分の中に入る弱い自分と戦って勝つことです。自分で立てた目標を途中でなげだす事は、弱い自分に負ける事だと思います。最初から無理な目標を立てる必要はありません。‘自分が少し頑張れば出来ること’小さな目標が積み重なって少しずつ夢や願いがかなっていきます。継続以上の強さはありません。
「自分の帯は自分で結ぼう!」と取り組みだして半年が経とうとしています。今まで自分で帯が結べなかった小学生の子供達も、今では自分で、きれいに、早く、結べるようになってきました。幼年部も数名の子供達が自分で帯を結んでいるのには驚きました。簡単なことですが、何回も練習すれば出来るようになるのです。
型も同じ! 練習すればするほど早く覚えられますよ。
どんなことでもそうですが、小さな‘出来た’の積みかさねが、心の自信になり、子供達の心の財産になっていくと信じて指導を行っています。ご父兄の皆様のご協力に感謝申し上げます。
空手を始める際に、丈夫な身体を作りたい、躾や礼儀を学びたい、精神的に強くなりたい等、それぞれ目標をもっていたと思います。同じように稽古していても、その目標を持って稽古している者とそうでない者とでは、全く技と心の向上に大きな差がでてきます。
またその差は時間が経つほど大きなものになります。
どんな小さな目標でも構いません。一年以上同じ帯を締めている道場生は、是非次の帯を目指す事を目標に、稽古に取り組んでください。